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もう知っている作品でごめんなさい!ただ解説があまりされていない作品なので、アサヒグラフ別冊から引用してみました。
これは画集からなので色質が違います。
ギュスターヴ・モロー 「夕べと苦しみ」 1882年
ヴィラ・エフシルド・ロスチャイルド蔵
アサヒグラフ別冊からスキャナしたもので色は濃くなっています。
ギュスターヴ・モロー 「夕べと苦しみ」 1882年
ギュスターヴ・モロー美術館所蔵
詩人ポール・ブールジェ(Paul Bourget, 1852-1935)の「夕べと苦しみ」からの作品だそう。
ところで最初の作品、実は所蔵先「ロチルド・コレクション」ってなってるものが多いけれど、「ロスチャイルド家」の「ロスチャイルド」のことで、同じです。
このロスチャイルドコレクションの作品の額裏に、詩人ポール・ブールジェ本人がその詩を書き記したそう。これはすごい宝物です。
もともとボードレールの「悪の華」にある「沈思」からインスピレーションを得たポール・ブールジェ。「苦しみ」と「夕べ」を擬人化させてつかの間の逢瀬を詩にしたそうです。
フランス語では「夕べ」は男性名詞、「苦しみ」は女性名詞で、女性が「苦しみ」を象徴しています。
解説に「彼は立ち上がり愛するものを抱きしめようとしたが夜の訪れとともに夕べは消えてしまい苦しみは一人残される。」と夜に一人ぼっち。
ギュスターヴ・モロー美術館所蔵の作品は、もはや男女の性は失われてアンドロギュノス化しているとありました。
記事 プラトン「饗宴」 アプロディーテーの裏話
この記事にアンドロギュノス化したアフロディーテの子の話しがかかれています。
このクレメンス=ゼルス美術館所蔵のギュスターヴ・モロー 「夕べ」(1887)は空に月が浮かんでいるところをみると、一人残された「苦しみ」の姿なんでしょう。
解説には「弦月が浮かぶ薄明かりの空の下、詩人が一人竪琴を奏でるノイスの夕べ」とありました。ノイスはクレメンス=ゼルス美術館のことです。
モローは竪琴を必ず詩人のアトリビュートとして持たせていますが、性別を超えた「夕べと苦しみ」を描いたとしたら、これは解説にはないことですがサッフォーを描いたのかも。
モローの代表は下記記事からリンクされています。
XAI
ギュスターヴ・モロー「キマイラたち 悪魔的なデカメロン」
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