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108754o4LHur.jpg「ちっちゃな淑女たち」はカミーユとマドレーヌの愛の物語というフランスのセギュール夫人が原作、松原文子・平岡瑤子(三島由紀夫夫人)訳で、序文・三島由紀夫という児童書。

「フランスの貴族の幼いお嬢様たちの優雅な生活」を描いた本ですが、装丁・挿絵が池田浩彰さん。最近でも見かけることができるのが、宮沢賢治の「注文の多い料理店」の挿絵です。印象がまるでちがいます。

1969年小学館から出版された「カラー版少年少女世界の文学8 アメリカ編2 小公子 他」では、バーネット作の小公子の挿絵は、「ちっちゃな淑女たち」に近い絵柄です。

作風が、画家とイラストの中間色で、挿絵への気負いより、文章と読み手の繋ぎを意識しているようで、流麗なタッチは、より一層に作品を引き立てている。

この頃の作品は最近では見られなくなりました。あの頃に、こういった児童書を手に夢や恐れを描いた時代。

「銀のうまと木馬たち」だとか「ホメーロス物語(イーリアス/オデュッセイア)」などを読ませたり読み聞かせをする家庭は、いま存在するのでしょうか。
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